脚注および後注の作成
QuarkXPress では、脚注と後注を作成して、個別のパレットで管理し、脚注スタイルを使用して思い通りにデザインできます。
脚注とはページの下部に表記される注記のことで、後注とは各章、各号、または書物全体の最後に、個別の見出しでまとめられた注記のことです。脚注と異なり後注には、本文のレイアウトに影響を及ぼさないという長所があります。ただし、読者にとっては、確認のために本文と後注の間を移動しなければならないという手間が生じる場合があります。

コンテンツ変数
QuarkXPress では、コンテンツ変数という新しい概念が取り入れられています。これによって、印刷、電子書籍、App Studioとすべての種類のレイアウトで、動的に変化するコンテンツを作成できます。 コンテンツ変数によって、QuarkXPressプロジェクト内にルールを設定し、レイアウトの必要条件を自動化して一貫性と正確性を保証できます。
コンテンツ変数には5種類あり、レイアウト制作の自動化や制御に役立ちます。
- 定義済みの変数 - これらのテキスト変数は定義済みで、QuarkXPress 2015で開く/保存するすべてのプロジェクトで利用でき、コンテンツソースの定義なしでテキストフローに挿入できます。
- カスタム変数 - このオプションにより、テキスト文字列と他の定義済み変数を組み合わせて新しい組み合わせを作成できます。
- 継続ヘッダー - この種類の変数は、ドキュメント内で段落または文字のスタイルシートを参照し、ソースデータを選択するために使用します。 この種類の変数をマスターページに適用して、継続ヘッダーを自動的にアップデートできます。 たとえば、ページの左側に書籍のタイトルを、右側のページにチャプター/セクションのタイトルを表示できます。
- ページ参照 - この変数は、既存のレイアウトオブジェクトにアンカー(これは既存の機能です)を使用して参照を作成するために使用します。 これによって、ドキュメントの別の場所にあるオブジェクトを、そのオブジェクトが存在するページの番号を使用して参照できます。 このようなページ参照について、ハイパーリンクが自動的に生成されます。 これらのハイパーリンクは、PDF出力にも書き出されます。 アンカーが付けられているオブジェクトが、レイアウトやコンテンツの変更により別のページへ移動または回り込むと、参照先のページ番号も自動的にアップデートされます。
- スタティックテキスト - 単純なスタティックテキスト変数を作成し、ドキュメントのどこにでも挿入できます。 この変数は、たとえば企業名をドキュメント全体のあちこちで参照し、それらが一貫している必要があるような場合に便利です。 スタティックテキストを使用すると、参照されているすべての部分を一括して変更できます。

書式のコピー/貼り付け
QuarkXPress の新機能、書式のコピー/貼り付け機能を使うと、複数のローカルスタイルであっても、素早くコピーして適用できます。任意のフォーマットのテキストを選択します。次に書式のコピー/貼り付け機能を選択して、文字スタイルおよび(または)段落スタイルを他のテキストエリアへペーストします。同じテキストボックスであっても、他のテキストボックスであっても、簡単にスタイルを適用できます。
これにより作業時間を大幅に短縮できます!
同期コンテンツ
テキスト、画像、フォーマットを自動的に同期
QuarkXPress®では、同じテキストや画像を複数のページや複数のレイアウトで使用して、自動的に同期することができます。フォーマットの有無も指定できます。
キャッチフレーズ、名前、住所、またはその他どんなものでも、たとえば、印刷レイアウトのページ3上で変更されたら、ウェブレイアウトとiPad®バージョンでもそれが変更されるようにできます。そして、フォーマッティングを同期するか、あるいは、場所によってコンテンツに異なるフォーマットを適用するかを選択できます。
特長
- 場所によってコンテンツが異なることを回避
- ワークフローを効率化
QuarkXPressでは、同じテキストや画像を複数のページや複数のレイアウトで使用して、自動的に同期することができます。フォーマットの有無も指定できます。
条件付きスタイル
強力なスタイルルールに基づいて、コンテンツにスタイルを自動的に設定
多くのレイアウトはテキストスタイルルールに従っています。たとえば、「説明の最初の文章は必ずイタリックにする」や「この種類の段落の最初の文字には必ずWingdingsフォントを適用する」のようになっています。そのようなルールは簡単に理解できます。しかし、大規模な文書で必ずルール通りにする場合には、時間がかかり、ミスも発生しやすくなります。
条件付きスタイル(先頭文字スタイルと呼ばれることもあります)によって、テキストスタイルルールの手間が解消されます。直感的な「わかりやすい言葉」によるユーザーインターフェイスでルールを作成し、テキストのコンテンツや独自に定義したルールに基づいて、テキストに段落や文字のスタイルシートを自動的に適用できます。この結果、テキストのスタイル設定の不一致が解消され、手作業に費やされる膨大な時間も節約できます。
動作紹介
- たとえば、「先頭の単語は必ず緑色」のような繰り返しのスタイル設定パターンを見つけます
- シンプルなメニュー型のインターフェイスを用いて、そのパターンを条件付きスタイルに変換します
- 条件付きスタイルを段落やテキストに適用します。QuarkXPress®ですぐにコンテンツに基づいたスタイルシートを評価し、適用されていることを確認します
特長
- 複数のルールを1つの条件付きスタイル内に結合できます
- 特定のテキスト文字列や文字、特定数の文字・単語・文章、文章・段落・説明の末尾、最後の単語・文章・段落などを検索するルールを作成できます
- スタイルを、テキストの特定の場所まで、その部分に対して、またはその特定の場所の前に適用できます
- コンテンツにルールを適用できない場合は、条件付きスタイルマーカーを挿入して、フォーマットを終了または開始する位置を指定できます
- 特定のテキスト文字列、特定の文字、条件付きスタイルマーカー、段落改行の後に条件付きスタイルを自動的に繰り返すことができます
- フォーマットは双方向から可能で、段落の最後からさかのぼってフォーマットを設定できます
- 段落レベルまたはストーリーレベルで条件付きスタイルを適用できます
- 一度適用すれば、条件付きスタイルの編集結果が自動的にテキストに反映されます
コールアウト
ボックスやグループが自動的にテキストとともに移動
サイドバーに画像のあるテキストブックを作成し、画像が必ず説明のテキストと同じページにあるようにする場合を想像してください。または、フローティングアイコンが同じ段落の左側にあるガイドブックを想像してください。あるいは、対応するテキストと同じページに段またがりの引用ボックスがある雑誌を想像してください。これらはすべて手作業で設定する必要がありますが、QuarkXPress®のコールアウト機能を用いれば自動的に設定できます。
コールアウト機能によって、ボックスまたはグループ(コールアウト)を、コールアウトアンカーと呼ばれるテキストフロー内の特定の場所と関連付けることができます。テキストがリフローし、コールアウトアンカーが移動すると、自動的にコールアウトがアンカーとともに、ページ内の別の場所または別のページに移動します。
柔軟性を最大限に生かすため、コールアウトをページまたはスプレッドに対して配置するか、コールアウトアンカー自体の位置に対して配置できます。コールアウトスタイルを作成して、スタイルシートのように使用したり、パレットをクリックする場合と同じように簡単にコールアウトを設定したりできます。直感的なインターフェイスのため、習得が容易で、簡単に使用できます。
動作紹介
- コールアウトアンカーをテキストに挿入し、アイテムまたはグループをクリックしてコールアウトアンカーと関連付けるだけです
- それぞれのコールアウトの設定を個別に変更できます。また、コールアウトのスタイルを使用して作業をスピードアップできます
特長
- コールアウトは簡単に作成できます。手間のかかる手作業によるカットアンドペーストは不要です
- 総合的な縦方向および横方向の位置揃えオプションによってコールアウトを正確に配置できます
- コールアウトは単一の分かりやすいダイアログボックスで設定できます
- ジョブジャケット®内にコールアウトのスタイルを格納できます
- テーブルでコールアウトを使用できます
コンポジションゾーン
1つのレイアウトを同時に複数のメンバーで作業
コンポジションゾーン®を使用すると、レイアウトをコンポーネントに分割して各コンポーネントを送信できます。これによって、本文、グラフ、サイドバー、写真などのコンテンツのさまざまな部分に対して同時に複数のメンバーが作業を行うことができます。
雑誌の編集部に、QuarkXPress®プロジェクトファイルを担当するレイアウトアーティストがいるとします。レイアウトアーティストは、コンポジションゾーンツールを使って、広告のエリアを「描き」、そのコンポジションゾーンアイテムを別ファイルとして書き出し、そのファイルを広告制作者に渡します。
広告制作者はQuarkXPressでファイル内に広告を作成し、そのファイルをレイアウトアーティストに返却します。レイアウトアーティストが更新されたファイルを適切なフォルダに格納し、レイアウトが自動的に更新されて広告を表示します。また、コンポジションゾーンアイテムはQuarkXPressレイアウトとまったく同様に機能するため、レイアウトアーティストはそれを開いて編集できます。
複数レイアウト
コンポジションゾーンは、複数のレイアウトで必要となる一連の情報があるときにも使用できます。そのような情報をコンポジションゾーンアイテムとして作成すれば、作業に係わるメンバー全員とそれを共有することができます。アイテムの作成が必要なのは1度だけです。他のメンバーは、そのアイテムを自分のレイアウト内へとドラッグ&ドロップすれば準備は完了です。情報を更新する必要が生じたときには、1カ所で更新するだけで、それを使用しているすべての場所で自動的にアイテムが更新されます。
特長
- ページの一部またはページ全体をコンポジションゾーンとして共有
- レイアウト全体で継続的にコンテンツを同期
- ワークフローシステムを使わずにコンテンツのコラボレーションを実現
コンポジションゾーンを使用すると、レイアウトをコンポーネントに分割して各コンポーネントを送信できます。このため、本文、グラフ、補足、写真などのコンテンツのさまざまな部分に対して同時に複数のメンバーが作業を行うことができます。
イメージグリッド
イメージを取り込んでグリッドに沿って自動的に整列
最近撮影した写真のカタログを作成する必要があるカメラマンや、レビューやレイアウト作業のためのイメージのフォルダがあるデザイナーの場合、イメージグリッド™機能によって大幅に時間を節約できます。イメージグリッドでは、QuarkXPress®にフォルダ内のイメージを取り込み、さまざまなレイアウトやラベルオプションでイメージのカタログ(コンタクトシート)を自動的に作成できます。各イメージにファイル名、解像度、サイズ、カラーモデル、フォーマットによる説明を付加できます。
動作紹介
- イメージのフォルダを選択します
- イメージのサイズ調整と配置の方法、組み込むイメージ情報を選びます
- QuarkXPressでイメージが自動的に取り込まれ、レイアウト設定されていることを確認します
特長
- 必要に応じて自動的に新規ページが追加されます
- オプションでサブフォルダのイメージも取り込めます
- ボックスの形状を指定できます
- 取り込んだイメージを縦横比を維持したままボックスに合わせるか、またはボックスに合わせて拡大できます
- 指定した行や列の数に合わせてボックスのサイズを自動調整したり、または決められたサイズのボックスを入りきるまでページに並べたりできます
- Adobe® Photoshop®やIllustrator®など、QuarkXPressのすべての標準イメージフォーマットを使用できます
「今までに多くのイメージを準備する機会があったならば、それがどれくらい退屈な作業であるかを理解できるでしょう。この新しいツールはそのような作業に大変役に立ち、確実に作業時間を短縮します。それは、InDesignに備わっている機能に追いついただけでなく、さらに先へと進んでいます。」
— Keith Martin, MacUser"
ジョブジャケット
リソースを共有/同期して、エラーが起こる前に問題を発見
ジョブジャケット®では、ジョブを開始する前にQuarkXPress®プロジェクトの仕様をカプセル化し、出力する前にこれらの仕様に照らして自動的にジョブをチェックできます。
1つのジョブジャケットファイルには、スタイルシート、カラー、カラーマネージメント設定、出力セットアップなどのリソースの仕様セットが含まれます。このファイルには、サイズ、マージン、ブリード、マスターページなどのレイアウト仕様も含めることができます。
ジョブチケットとルール
加えて、ジョブジャケットファイルは、1つまたは複数のジョブチケットを含みます。ジョブチケットは、特定のプロジェクトを作成するのに適したジョブジャケットファイルのリソースのサブセットを指定します。あらかじめジョブにジョブジャケットファイルをセットアップしておくことによって、レイアウトアーティストがそのジョブ用に適切なリソースを使ってくれるようになります。
ジョブジャケットにはルールも含められます。ルールを使用することにより、レイアウトを(出力する前に、または定期的に)チェックして、不適切なフォント、カラー、画像ファイルフォーマットなどの問題がないかどうかを確認することができます。
さらに、ジョブジャケットを利用してローカルなワークグループでリソースを共有することができます。複数のデザイナーが、同一のジョブジャケットファイルにリンクしてそのファイルのリソースを利用することができます。
特長
- レイアウト全体でリソースの一貫性を実現
- いつでも仕様に照らしてレイアウトをチェック
- ジョブジャケットファイルをクライアントやサービスプロバイダに送信して一貫性を確保
- JDFで書き出し
ジョブジャケットでは、ジョブを開始する前にQuarkXPressプロジェクトの仕様をカプセル化し、ジョブを出力する前に自動的にジョブの仕様をチェックできます。
リスト
目次や図表リストなどを作成
QuarkXPress®のリストパレットでは、レイアウトに適用されているスタイルシートを使用して、目次、図表リストなどを自動的に作成できます。
たとえば、「Heading 1」のスタイルシートを大見出しに使用し、「Heading 2」のスタイルシートを小見出しに使用している場合、リストパレットで、これらのスタイルシートを使用しているすべての段落の複数レベルのリストをレイアウトに挿入したり、各段落のページ番号を抜き出して付加したり、カスタマイズ可能なリーダーの有無を指定したりできます。
また、リストのフォーマット方法も制御できます。たとえば、14ポイント・ボールド体が指定されたスタイルシートでフォーマットされたすべての第1レベル見出しと、12ポイント・イタリック体が指定されたスタイルシートでフォーマットされたすべての第2レベル見出しから、目次を作成することができます。ページ番号または段落テキストにより、リストの並べ替えが行えます。あとでレイアウトに編集を加えた場合も、2回のクリックで目次を更新することができます。
リストパレットでは、目次や図表リストを作成できるだけでなく、レイアウト内を移動する便利な方法が用意されています。アクティブレイアウト内にある任意の見出しやキャプションにジャンプしたければ、リストパレットからその見出しやキャプションをダブルクリックします。リストに含まれないテキストを検索せずにリスト内の特定のアイテムを見つけたければ、専用の検索フィールドを使うこともできます。
QuarkXPressのリストパレットでは、レイアウトに適用されているスタイルシートを使用して、目次、図表リストなどを自動的に作成できます。

スタイルシート
スタイルシートによるスピーディなフォーマット
スタイルシートは、複数のテキストフォーマット設定を1つにまとめて名前を付けたものです。スタイルシートを使用すると、QuarkXPress®のレイアウト全体に短時間でフォーマットを適用して、1回の操作で全体のフォーマットを変更できます。
段落スタイルシートでは、行送り、インデント、前・次段落との間隔など、段落のフォーマット方法を定義します。文字スタイルシートでは、フォント、サイズ、カラー、文字飾りなど、文字のフォーマット方法を定義します。レイアウトの全スタイルシートはパレットに表示され、容易にアクセスできます。
スタイルシートの大きなメリットはスピードです。テキストにスタイルシートを適用するには、スタイルシートパレットから目的のスタイルシート名をクリックするだけです。スタイルシート適用のキーボードショートカットを定義することもできます。
スタイルシートは変更時に大きな威力を発揮します。たとえば、ドキュメント内の本文テキストのポイントサイズを変更することにした場合、スタイルシート内でポイントサイズを変更するだけで、自動的にこれを実現できます。
スタイルシートは、レイアウト内で、そしてワークグループ内で、フォーマットの一貫性を保つ助けにもなります。すべてのメンバーが確実に同じスタイルシート定義を使用するように、グループのスタイルシートをジョブジャケットファイルに保存し、全員をそのファイルにリンクすることができます。
Microsoft® Wordで書式を使用している場合も、問題はありません。QuarkXPressにそのまま取り込むことができます。
スタイルシートを使用すると、QuarkXPressのレイアウト全体に短時間でフォーマットを適用して、1回の操作で全体のフォーマットを変更できます。
アイテム検索/置換
アイテム検索/置換機能で、ボックスの特性、ボックスのカラー、フレームの特性、行の属性、画像の属性、テキストの属性、ドロップシャドウの属性などの多様なアイテムの属性を検索および置換できます。ボックスのサイズなど、1つの属性を検索して、見つかった場合には列数などの他の属性を変更することもできます。
レイアウト内の複数のボックスの属性を変更する必要がある場合に、時間を節約できます。アイテム検索/置換機能を使用して、ボックスや行を具体的な特性で検索し、簡単にそのボックスや行に変更を適用できます。

アイテムスタイル
アイテムスタイルは、アイテムのスタイルシートのようなものです。アイテムスタイルは、アイテムのフォーマットオプションに関する名前付きパッケージです。たとえば、特定のサイズとカラーのボックスについて特定のフレーム、テキストとの間隔、ボックス内の行位置、回り込みを記述した「Sidebar」という名前のアイテムスタイルを定義した後、パレットでそのアイテムスタイルをクリックするか、独自のキーボードコマンドを押すことによって、そのアイテムスタイルをボックスに割り当てることができます。
アイテムスタイルを使用すると、簡単にスタイルを作成して、ボックスや画像などのレイアウトの要素に適用できます。スタイルが定義済みのアイテムを作成する場合はいつでも、ワンクリックでそのスタイルを適用できます。

マスターページによる高速なレイアウト編集
マスターページ機能では、ページの「テンプレート」を作成して、そのテンプレートをレイアウト全体に使用できます。表紙用に1つ、目次用に1つ、本文ページ用に1つのように、レイアウトごとに複数のマスターページを設定できます。マスターページを更新すると、そのマスターページを使用しているすべてのページが自動的に更新されます。共有コンテンツを結合して、階層構造のマスターページを作成することもできます。
マスターページを使用すると、レイアウトの各ページに表示される要素を定義できます。マスターページを変更すると、その更新内容はレイアウト全体に反映されます。
AppleScript
AppleScriptでは、スクリプトを使用してQuarkXPressなどのアプリケーションを制御できます。AppleScriptは直感的に使用できる習得しやすいスクリプト言語で、15年以上Mac OSに組み込まれています。
QuarkCopyDeskとの連携
QuarkCopyDesk®を使用すると、コンテンツ作成者はレイアウトを気にせずにデザインに集中できます。